座禅会に参加

「稼ぐ」と決めると、あれもこれも、やることが増える。

とにかく数字が増えた方がいいし、増やすためには行動量を上げたほうがいい。結局多動になり、頭の中が忙しくなる。アクセルを踏みっぱなしだ。

知人の経営者に誘われて、座禅会に参加した。以前ITの会社を経営していたその人が、メンタルが弱っていた時に座禅に出会い、健やかさを取り戻したのだそうだ。迎えてくれたのは天台宗の僧侶だった。

僧侶は言った。

「学校でも社会でも、みなさんはアクセルの踏み方は習うんです。ですが、ストップ。止まることを習いません。アクセルを踏む、ストップする。どちらかだけではダメで、両方をきちんとできること。だから中道なんですね。座禅は日々の中でストップする時間。休憩の時間です」

初心者向けの15分ほどの座禅の時間だったが、こんなにも多くのことをいつも考えているのかとびっくりするほど思念が湧いてきていた。それをただ川に流すように手放していくと、頭のなかに余白ができるようになる。心なしかこわばっていた体がゆるんだ。食い締めていた顎が緩み、肩が緩み、頭の周辺のこわばっていた筋肉が緩んだことで、人相がよくなったのではないかと思うぐらいだ。

時には止まること。いや、周期も大事だが、1日、1日のなかで、きちんと休む時間をつくる、中道を意識すること。心がけてやっていきたい。